2015年11月11日水曜日

エビングハウス・ジャズドロー

周囲にある図形の大きさいかんによって同じ大きさのものが大きく見えたり小さく見えたりするし(エビングハウス)、またそばにある図形の、たまたま近接した部分が短いというだけで、その図形はより大きく見える(ジャズドロー)。また同じ長さの線でも、それが一部を成している図形の大きさいかんによって、長くも見えるし、短くも見える。

このように錯板は、私たちの視覚が日常生活の間に知らないうちに行なっている調節作用、適応作用をいわば明るみに出してくれる一つの手だてとなるのであって、決して単純な錯誤とのみいいきれるものではないのである。むしろ、もっと多くの鈷板現象を研究することによって、私たちは人間の眼の本当の働き方をもっともっと深く知ることができるようになるのではないだろうか。